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カバー装画 篠田桃紅
広島に原爆が投下されたあの日、三角関係のもつれから妻を殺害したと年下の友人に打ち明けられた男の困惑と真情を軸に国家と個人の関係を日常性の中で追及した表題作など三篇を収録。出世作「笹まくら」や近作「裏声で歌へ君が代」などで展開されたテーマ”国家論“がここでもみごとに料理されている。(文春文庫 裏表紙から)
<丸谷才一さんの紹介>
1925年、山形県鶴岡市生れ。1950年、東京大学英文科卒。主な小説に、『笹まくら』『年の残り』(芥川賞)『たった一人の反乱』(谷崎賞)『裏声で歌へ君が代』『樹影譚』(川端賞)、批評家としての著作に『後鳥羽院』(読売文学賞)『文章読本』『忠臣蔵とは何か』(野間文学賞)『6月16日の花火』ほか多数。(朝日文庫から)
芥川賞など数々の賞を受賞し、文化人とはこういう人のことをいうのだなと思わされた。
市井の人ではなく、社会を批評する知者としての丸谷さんの作品を大学生のときに読んだ。
旧仮名遣いには悩まされたたが、文章は整然としており読みやすかったと記憶している。