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風の七人

山田正紀 村上 豊 風の七人 講談社文庫
カバー装画 村上 豊

 

南国カンボジアの摩城に挑む日本忍者の大活劇。当代一の忍びの手練れ、きりの才蔵とましらの佐助、怪僧にして妖術の総帥七宝坊主、怪力武者の裏切り陣内、豪剣の名手、群青・緑青の双子の兄弟、豊艶な美女さらの七人が、異国の地で目もさめる疾風怒濤の活躍。卓抜な構成による著者初の異色痛快時代長編。(講談社文庫 裏表紙から)

 


 

ネタバレなしの読後感想

異色の忍者者の時代小説です。主人公は、この小説では “霧の才蔵” と呼ばれている霧隠才蔵。脇に猿飛佐助、果心居士や山田長政などがいて、徳川が支配を終えようとする日本を離れてカンボジアで未来の日本人のためにひと働きするというのだから、なんと型破りなストーリーなのだろう。
忍者という存在の特殊性と超人的な活躍をしてくれそうな神秘性を思う存分に使ったストーリー展開は、娯楽そのものの肩のこらないものです。もっと話を膨らませることもできたに違いないけれども、これはこれで良いのかもしれない。主人公の才蔵は別として、脇の登場人物たちの人物描写に物足りなさを感じました。
同じ南国で日本人が活躍する白石一郎さんの『風雲児』をあわせて読んでみてはいかがでしょうか。

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