カバー装画 『露国皇太子上陸図』勝月画より
明治24年5月、国賓のロシア皇太子を警護の巡査が突然襲った。この非常事態に、近代国家への道を歩みはじめた日本が震撼する。極東進出を目論むロシアに対し、当時日本は余りにも脆弱であった −。皇太子ニコライへの官民挙げての歓待ぶり、犯人津田三蔵の処分を巡る政府有力者と司法の軋轢、津田の死の実態など、新資料を得て未曾有の国難・大津事件に揺れる世相を活写する歴史長編。(新潮文庫 カバー裏表紙から)
<吉村 昭さんの紹介>
1927(昭和2)年東京生まれ。学習院大中退。主な作品に『星への旅』『戦艦武蔵』『零式戦闘機』『彩られた日々』『神々の沈黙』『陸奥爆沈』『冬に鷹』『ふおん・しいほるとの娘』『漂流』『ポーツマスの旗』『魚影の群れ』ほかがある(旺文社文庫から)