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池井戸潤 ようこそ、わが家へ_1407
カバー装画 姫野はやみ

 

真面目だけが取り柄の会社員・倉田太一は、ある夏の日、駅のホームで割り込み男を注意した。すると、その日から倉田家に対する嫌がらせが相次ぐようになる。花壇は踏み荒らされ、郵便ポストには瀕死のネコが投げ込まれた。さらに、車は傷つけられ、部屋からは盗聴器まで見つかった。執拗に続く攻撃から穏やかな日常を取り戻すべく、一家はストーカーとの対決を決意する。一方、出向先のナカノ電子部品でも、倉田は営業部長に不正の疑惑を抱いたことから窮地へと追い込まれていく。直木賞作家が “身近に潜む恐怖” を描く文庫オリジナル長編。(小学館文庫 カバー裏表紙から)

 


 

ネタバレなしの読後感想

いつの世にもいる粘着質の人。恨まれるにしろ好かれるにしろ、このような人と付き合うのは厄介の種を背負い込んだようなものである。前者は執拗な嫌がらせなどによる攻撃。後者は身の毛もよだつようなストーカー行為。
この小説は、ちょっとした正義感から起こした行動が不安な日々を招いてしまったという、どの人にもどの家庭にも起こりえる災難とその解決を描いている。
見えざる相手を探す困難。全く役に立たない警察。一般家庭が背負うには余りにも重い。
テンポよく進む展開、幾筋にも広がるストーリーなど十分に楽しめる小説です。

 


<池井戸潤さんの紹介>
1963年岐阜県生まれ。慶応義塾大学卒業。98年『果つる底なき』(講談社文庫)で江戸川乱歩賞、2010年『鉄の骨』(講談社文庫)で吉川英治文学新人賞、11年『下町ロケット』(小学館)で直木三十五賞を受賞。
主な作品に、『オレたち花のバブル組』『オレたちバブル入行組』『シャイロックの子供たち』『株価暴落』『民王』(文春文庫)、『銀行総務特命』『銀行狐』『BT‘63』『不祥事』『空飛ぶタイヤ』(講談社文庫)、『最終退行』『ようこそ、わが家へ』(小学館文庫)、『金融探偵』(徳間文庫)、『ルーズヴェルト・ゲーム』(講談社)、『ロスジェネの逆襲』(ダイヤモンド社)、『七つの会議』(日本経済新聞出版社)などがある。

 


 

池井戸潤さん その他の文庫本

オレたちバブル入行組
株価暴落
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シャイロックの子供たち

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