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二十歳の原点

高野悦子 杉浦康平 二十歳の原点 新潮文庫
カバー装画 杉浦康平

 

独りであること、未熟であることを認識の基点に、青春を掛けぬけていった一女子大生の愛と死のノート。
学園紛争の嵐のなかで、自己を確立しようと格闘しながらも、理想を砕かれ、愛に破れ、予期せぬうちにキャンパスの孤独者となり、自ら命を絶っていった痛切な魂の証言。明るさとニヒリズムが交錯した混沌状態の中にあふれる清冽な詩精神が、読む者の胸を打たずにおかない。(新潮文庫 裏表紙から)

 


 

ネタバレなしの読後感想

 

昭和54年12月に発行された第八刷を改めて読んでみました。
1969年1月15日の成人の日に「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である。」とノートに日記の形式で書き綴っています。記載された期間は、ご本人が自死された後に出版されたものなので、『誰かに読んでもらうために』書かれたものではありません。心情の吐露とも言うべきものであり、読んでいて心が傷んでくる。
1969年1月2日から同年6月22日であり、全学共闘会議が中心になって学生運動を進めているさなかで、学校内にバリケードを築き実力闘争を辞さない学生に対して大学は警察の介入を認めて、警察機動隊によって占拠する学生の排除を行うという混沌とした時代にあった。
著者は学生運動に関心を示しながらも参加をしていなかったが、デモやバリケードでの立てこもりにも参加するようになりました。とても活き活きと書き綴っていたノートの文章なのに、アジ(アジテーション)の言葉は借り物で薄っぺらなものであることが悲しい。学生運動に何を期待していたのだろう。
これほどに内省をして、自らに期待し、叱咤し、絶望を綴った手記が他にあるだろうか。孤独を感じながらも、家族から、友人からも離れてしまう心理を十分に理解し切ることができない。

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二十歳の原点序章

高野悦子 杉浦康平 二十歳の原点序章 未熟な孤独の心 新潮文庫
カバー装画 杉浦康平

 

〈己を律せよ!〉厳しい政治の嵐のなか、主体性の確立をめざし、青春の生命を注ぎこんだ孤独な魂のシュプール ―。高校三年生の秋から、受験、親もとを離れての京都での学生生活を通し、美しい山野への憧れ、歴史に対する興味、社会の矛盾への怒りなど、二十歳の凄烈な死にいたる青春の夢と激情を、絶えず何かを求め、戸惑い悩む未熟な孤独の心で記したノート。(新潮文庫 裏表紙から)

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