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<田辺聖子さんの紹介>
1928(昭和3)年3月27日、大阪に生まれた。1947年、樟蔭女子専門学校国文科を卒業。放送作家などを経て「感傷旅行」で1964年、第50回芥川賞を受賞。以後軽妙洒脱でユーモラスな小説を主体に、歴史エッセイ、軽評論、随筆等幅広い活動をしている人気作家である。(文春文庫から)
関西のことばを操り、軽妙な言葉のキャッチボールを取り込んだ文章を書いた作家という印象です。肩の凝らない洒脱な作品がお好きな方にお勧めです。
お聖どん・アドベンチャー
カバー装画 灘本唯人
牧場のボスは小松左京氏、牧童頭は筒井康隆氏、飯炊き女はお聖さん?・・・・等々、登場人物はすべて実名。軽妙洒脱、抱腹絶倒!「デブデブ牧場」他7篇。いずれも現代社会への痛烈な風刺と批判のこめられた、おかしな未来小説。(集英社文庫 裏表紙から)
お聖さんの落語
カバー装画 村上 豊
男女間の色事ではじまり、人情の機微に触れ、煩雑な世事を皮肉り、時に説教をし、やっぱり男と女のお話に果てる。
卓抜した発想を、軽妙な大阪ことばで仕上げた笑いのフルコース。洒落た味わいのなかに、醒めて、したたかな文明批判がにじみでる。御存知おせいさんが新境地を拓いた、新作上方落語十一篇を収録。(角川文庫 見開きから)
無常ソング
カバー装画 岡田嘉夫
母親の葬式で、和讃にギター伴奏をつける若者。その奔放さに中年男は苦々しい顔をする。「まあ、ええやないか」と分かりがいいのは坊さん。その若者も最後にはご詠歌、つまり無常ソングを合唱しつつ涙を流し、中年男をホッとさせる。冠婚葬祭をテーマに、巧みなユーモアで人生の哀歓を盛り上げた、独得の小説世界。(講談社文庫 裏表紙から)
![]() | 価格:550円 |
ラーメン煮えたもご存じない
カバー装画 高橋 孟
インスタントラーメンだって工夫ひとつでおいしく食べられます ―。
柔らかい心で生きなければと思いつつも、今日び余りにも馬鹿げたことばかりで疲れます。自分中心の若者の無礼なること、権力志向する男の愚かしき事、そして結婚だけが生きがいの女の鈍なること。しかしなぜか人生面白く人間商売やめられぬのだ。この恐ろしい世の中を、もっと柔らかい心で楽しく生きるための本。(新潮文庫 裏表紙から)
古川柳おちぼひろい
カバー装画 山藤章二
川柳は座右におき、いつも眺めているのがいい。年を重ねるほどに、今までわからなかった句がわかるようになる。こうして面白い句を拾いあげ、掌にためるのがおちぼひろいの楽しみである。ユーモアの達人が、先達の作品から秀句を拾いあげ、掌上で男心や女心の微妙な味わいを楽しんでみる卓抜エッセイ。(講談社文庫 裏表紙から)
<目次>
・母の名は 座右に置いて、年をかさねるほどにおかしみがましてくる佳句、今も変わらぬ人の世の風情。
・かみなりを 誕生から死まで、イキのよい庶民の一生の、一読、すぐ口もとがほころぶような傑作句。
・掛人ちひさな声で 居候の気がね気づまり、囲われ者のうさ辛さ、ままにならない人間関係を見守る川柳風土。
・腰元の化粧 腰元、殿様、貧乏旗本、勤番武士。綺麗作りのドラマとは違う、生ま身の時代もの人物群。
・雨やどり 何でもない日常生活のおかしみの一瞬を、すばやくとらえて定着させた、ウィットの妙味。
・知られて居るものを 判官びいきの日本人に、同情され、愛情のあまり揶揄されたりする、赤穂浪士たちの句。
・武さし坊 史上有名な忠臣、賢母、勇士たちを平俗に扱い、したたかな精神の居坐りが見える歴史句。
・五右衛門は 全く架空のことを、なじみの人物に仮託して説得力をもたせる、類推のおもしろい歴史句。
・去つたあす 長屋の夫婦や小商人、安隠居、江戸の繁盛を支えた庶民たちの情緒がうかがえる、生活句。
・おちやつぴい おちゃっぴいが年たけて、女の苦労を重ねつつ姑婆となって人生の終りとなる。女の一生。
・猪牙の文 江戸の住民たちが、吉原に寄せた愛着と郷愁。陥落の極みに生彩をおび、躍動する廓の句。
・たれながら おかしくてちょっぴり哀れな、そして痛快なところもある、下級遊里の主客を活写する句。
・泣く時の 若い娘の洗い髪、水鏡。年増の信心、忍ぶ恋。女たちの姿態に、女心の機微をさぐる秀句。
・れいれいと 小説の一章か映画の一場面を見るような、いろいろな想像が喚起される、人生の肯定句。