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<早乙女貢さんの紹介>
1926(大正15)年元旦、中国ハルピンに生れる。本名鐘ヶ江秀吉。昭和43年「僑人の鑑」で第60回直木賞受賞。主に時代小説に健筆を振い、代表作に「奇兵隊の叛乱」「北條早雲」「由比正雪」など。数少ない山本周五郎門下生の一人である。(文春文庫から)

 





早乙女貢 成瀬一富 伊賀忍法 春陽文庫 
カバー装画 成瀬一富

 

第六十回(昭和四十三年下期)直木賞の栄冠をえた早乙女貢の長編忍法小説大作!
天正元年秋― 越前一乗谷の太守朝倉義景は、織田信長の猛攻にあい亡び去った。一族ことごとくとらわれ殺されたあとに、しかしただひとり義景の血をひく嬰児が残された。
二十年の星霜が流れて・・・・伊賀霧が谷を支配する上忍名張の久蔵の手により忍者として成長したその子は、ここに風の小七とよばれて、ふたたび戦国の世に登場することになった。
ルソン助左衛門により秀吉に献上された珍しい麝香猫を、大阪城の天守閣から奪い去った小七は、母の仇を求めて苦労する美耶、そして越後の女忍者ゆりと関りをもつことになった。石田三成の命により蒲生氏郷を暗殺すべく起った伊賀忍者と風の小七の運命は?・・・・(春陽文庫 カバーそでから)

 


 

忍法秘巻

早乙女貢 忍法秘巻_2645
カバー装画 加藤孝雄

 

忍法達者たる楯岡ノ道順の高名を慕って一度はその弟子になった文吾だが、師の女志貴と恋に落ち、恩師の生命と女を奪って京へ逃げのびる。志貴はもと服部半蔵の女であったが半蔵が伊賀忍びの掟を破って徳川家康に臣従したため、師の道順から破門されるとともに志貴も道順に奪われたのだった。野望と復讐に燃える半蔵と文吾の決死の対決の時迫る!!(双葉文庫 裏表紙から)

 


 

ネタバレなしの読後感想

大泥棒、石川五右衛門として釜茹での刑を受けた忍者を描いた小説です。存在していたかどうかが、もう一つはっきりしない石川五右衛門にうまく命を吹き込んだなと、作者が施した設定の妙技に関心をさせられました。
標的となる秀吉のゲス男ぶり、ライバルとして立ちふさがる服部半蔵の執念と計算高さがあってこそ、主人公が行き来機と描かれているなとも感じます。
冷酷非情で非人間的存在として描かれることが多い忍者ですが、人としての恋心や憐憫などを持つ存在として描かれているので、話の展開はとてもわかり易いです。
残念なのは、途中で織田信長が伊賀忍者を攻めた「天正伊賀の乱」についての詳述や古文書に記されていることなどについて長々と記されている部分が少し煩わしく、話の腰を折られたような感じがしたので残念です。
忍者を描いた小説は山ほども多いですが、戦いの描写は幻術などを多用していないのでリアルで楽しめるものです。

 


 

奇兵隊の叛乱

早乙女貢 奇兵隊の叛乱_0237
カバーイラストレーション 西のぼる

 

吉田松陰門下の逸材として高く評価された高杉晋作。身分の上下を問わない人員構成で近代軍隊組織の原形となった “奇兵隊” を誕生させ初代総督となった。そこに入隊した赤根武人、世良修蔵。山縣狂介ら若き志士たちの、明日の日本に賭ける夢と理想 ―。急転する時流のなかで悲惨な末路を迎える奇兵隊の転変を描いて、幕末の動乱を浮き彫りにする。明治政府によって捏造された維新史を糾す歴史小説。(集英社文庫 カバー裏表紙から)

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緋牡丹伝奇

早乙女貢 緋牡丹伝奇_1959
カバー装画 西のぼる

 

「お国・・・ここへ」すでに力を失ったおりくは手で招いた。「そなたに言い遺しておかねばならぬことが・・・・」「いやです・・・、そんなお師匠さん」「あとはそなたが一座を・・・」烈しい息づかいをしながら、古代綿の袋に秘められた一ふりの懐剣をお国におしつけ、「これは・・・そなたのもの・・・そなたの母御のもの・・・」
蛇ヶ谷で拾われ養父母に育てられていたお国の踊りの素質と天性の美貌を見こんで、お国を引き取ったおりくの最後の言葉は何を意味するのか!?
阿国歌舞伎の創始者・出雲の阿国と恋人の美剣士・名古屋山三郎、そして石田三成の遺姫・菊姫等の愛と葛藤を通し、ビッグ・スターの誕生を描いた絢爛絵巻!(時代小説文庫 カバーそでから)

 


 

 


 


 


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