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伊賀者始末

戸部新十郎 村上 豊 伊賀者始末 徳間文庫
カバー装画 村上 豊

 

風魔小太郎は新興の江戸の街を侵す凶盗。侵し、掠め、犯す乱発破である。旧主北条家が滅んだ後、徳川家康の開く江戸に出てきた。今夜も風のように現れ、魔のように掠めたが、途中思わぬ邪魔が入って隠れ家に引き返した。だが無人のはずの隠れ家には草笛を吹く可憐な少年が・・・・。少年ははたして何者なのか(「江戸の草笛」)。
権力者の陰で暗躍する忍者の非常の運命を描く傑作時代小説集。(徳間文庫 裏表紙から)

 

<収録>
・江戸の草笛
・笹金
・あしの功名
・切左衛門の訴状
・釣り独楽
・遊行
・伊賀黒の森
・霞の水
・善知鳥
・ずンと切支丹

 


 

野望の峠

戸部新十郎 藤居正彦 野望の峠 PHP文庫
カバー装画 藤居正彦

 

正体不明ながら、不思議な威厳をもち、人心収攪の才に長けた牢人者伊勢新九郎・行き倒れの娘(後の今川義忠の室・北川殿)を助けた縁で今川氏の内紛を解決し、やがて北条市の婿となって一城の主に・・・・。壮年を過ぎてから面白いように出世していった北条早雲をえがいた、「破顔」ほか、服部半蔵、山本勘助、明智光秀、小早川秀秋らを主人公に、野望を抱えて戦乱の世を生き抜く人間像を、哀感あざやかに描く歴史短編集。(PHP文庫 裏表紙から)

 


 

服部半蔵(一) <花の章>

戸部新十郎 村上 豊 服部半蔵(一) <花の章> 光文社時代小説文庫
カバー装画 村上 豊

 

匂うような美少年服部半蔵が、陰謀渦巻く伊賀に戻ってきた。単身、上忍藤林長門、百地丹波に挑み、幻術遣い勾当段蔵と対決。“煙りの末”の名を復興し、より広い戦国興亡の地を求めて歩き出す。長編歴史小説。(光文社時代小説文庫 裏表紙から)

 


 

ネタバレなしの読後感想

この本が、文庫本への“書下ろし”として登場した頃は、歴史小説、時代小説が華やかでした。主人公の服部半蔵は、有名な忍者ではあるが、歴史的な資料も少ないであろうから、歴史小説と呼ぶのには疑問がある。
家康をはじめとして、信長、秀吉らと接触するするシーンは史実にとらわれず、とても自由に書かれているので、生きた文章になっている。
この巻は長い物語の書き始めのせいだろうか、登場人物の心の動きをとらえにくい。現在、同じように文庫本への書下ろしを多数行い続けている佐伯泰英さんに比べると、愛情や人情などを読み取りにくい。忍者という存在であるからなのかもしれない。

 


 

服部半蔵(二) <草の章>

戸部新十郎 村上 豊 服部半蔵(二) <草の章> 光文社時代小説文庫
カバー装画 村上 豊

 

 桶狭間の一戦を機に、天下は新しい覇権争いのるつぼと化す。新興信長、秀吉、家康の陰で、「草」となって東奔西走する半蔵。彼を慕う美少女みほ。二人の上にふたたび魔の手が迫る! 佳境に入る長編歴史ロマン。(光文社時代小説文庫 裏表紙から)

 


 

ネタバレなしの読後感想

織田信長、足利義輝、猿飛佐助などが登場し、ストーリーの舞台が拡がり、戦国時代末期へと急送に進んでいく。
服部半蔵も時代の流れに抗うこともなく、徐々に力をつけていくが、生まれ持った個人の技量が一過性のものではないかと疑い悩むが、周りの者たちは、そのようなことに頓着していない。
能楽師世阿弥の遺した「花伝書」の教えを、忍びの教えになぞらえる手法は見事です。

 

一巻では物足りなさを感じた、半蔵の人としての気持ちの動きがみられるとともに、歴史上の人物と絡んだ活劇の様相が楽しい。
難しい単語を使ったり、敢えて日常とは違う読み方をさせる面倒くささを感じるが、話の展開は肩の凝るものではない。

 


 

服部半蔵(三) <石の章>

戸部新十郎 村上 豊 服部半蔵(三) <石の章> 光文社時代小説文庫
カバー装画 村上 豊

 

川中島で竜虎相打つ信玄と、謙信はじめ、諸将郡立しれ天下をめざす。伊賀を出国した半蔵は、みほを抱き、勾当段蔵やスッパらを相手に東西を転戦するが、世はまさに一局の碁。盤上に烏鷺が躍り、混沌の渦に。(光文社時代小説文庫 裏表紙から)

 


 

ネタバレなしの読後感想

著者の筆が乗ってきたという風に感じられる。舞台は京、越後、甲斐と目まぐるしく変わっていく。信長の台頭によって、いよいよ群雄割拠が高まり、それとともに室町幕府を中心に権謀術数が展開されていく面白い時代を描いています。
この巻では、戦国武将たちに好まれたという、囲碁を話の道具に使うという著者の試みが面白い。次の巻が楽しみだ。

 


 

 


 


 


 

 

 

 

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