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子母澤寛 新選組物語_2382

 

 

ネタバレ無しの読後感想

現代社会からは想像もつかない、血なまぐさい話で埋め尽くされている。
“幕末に咲いた徒花” というイメージよりも、立身出世の夢に集い、おごり、猜疑心と裏切りの中、厳しい隊規で縛り縛られた集団が、新選組であることが見えてくる。
結成からわずか6年ほどで新選組としての活動は終わったが、動乱の時期ならではの濃さをあとに残している。
元隊士や関係者が回想する言葉をまとめた、事実の断片ともいえる書です。
収録されている『新選組』と『流山の朝』は、著者が調べたことを素に、新選組への著者からの憐みとやさしさのある目線で描かれた、想像の物語です。
敗れ続けていく中、自嘲とともに過ぎ去った日々を振り返る。やり尽くしたという思いと
成し遂げられなかったという思いが、それぞれの隊士の心に交錯する。
新選組の真実を知りたい人にとって、必読の一冊です。

 


 

<子母澤 寛さんの紹介>
明治二十五年(1892)、北海道に生まれる。本名、梅谷松太郎。明治大学法学部卒業。読売新聞・毎日新聞の記者をつとめた。昭和三年『新選組始末記』を出版。のち股旅小説を多数発表、『弥太郎笠』『菊五郎格子』『国定忠治』『すっ飛び駕』『駿河遊侠伝』などがその代表作。戦後は幕末遺臣と江戸への挽歌ともいうべき作品『勝海舟』『父子鷹』『おとこ鷹』『逃げ水』などを発表、昭和三十七年に菊池寛賞受賞。随筆の名手として知られ、『ふところ手帖』(正統)のほか『愛猿記』『よろず覚え帖』などがある。昭和四十三年(1968)没。(中公文庫から)

 


 

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子母澤 寛  勝海舟(五)
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