カバー写真 新津保建秀
芸能界への登竜門「スタリオンボーイグランプリ」でデビューし、“種馬王子” の異名を持つ小早川当馬。俳優として着実にキャリアを積み、プライベートも好調だったが、突如、がんの宣告を受ける。余命は一年 ―。残り少ない時間で、自分は世界に何を残せるだろうか。俳優として、一人の男として、当馬の挑戦が始まる。(文春文庫 カバー裏表紙から)
カバー写真 新津保建秀
当馬は、最後の一年を映画に懸けた。監督の溝畑英治、先輩女優の都留寿美子らを巻き込みつつ、病身を押して撮影に打ち込む。そして、思いもかけず生まれた、新しい愛。「わたしは、当馬さんの赤ちゃん、産んでもいいですよ」。その真っ直ぐな視線に、すでに人生の終わりを見定めた当馬はどう答えるのか ―。(文春文庫 カバー裏表紙から)
<石田衣良さんの紹介>
1960年、東京生まれ。成蹊大学経済学部卒業。広告制作会社を経てフリーランスのコピーライターに。97年、「池袋ウエストゲートパーク」で第36回オール讀物推理小説新人賞を受賞。生き生きとした語り口と現在を映し出すエッジの鋭さが高い評価を受けた。受賞作に続篇3篇を加えた『池袋ウエストゲートパーク』(文春文庫)でデビュー。以降、この“IWGP”シリーズは『PRIDE』(2010年刊行)まで10作を数えている。03年、『4YEEN』(新潮文庫)で第129回直木賞を受賞。06年、『眠れぬ真珠』(新潮文庫)で第13回島清恋愛文学賞を受賞。ジャンルを横断し、いま最も精力的な創作活動を展開している作家の一人。近著に『坂の下の湖』(日本経済新聞出版社)、『明日のマーチ』(新潮文庫)、『スイングアウト・ブラザーズ』(光文社)、『IWGPコンプリートガイド』『カンタ』『コンカツ?』(文藝春秋)など。(文藝春秋)