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山本周五郎 おごそかな渇き 
カバー装画 牧 進

 

長年対面しつづけた宗教的課題を取り上げ、“現代の聖書”として世に問うべく構想を練りながらも絶筆となった現代小説『おごそかな渇き』。ほかに“下町もの”の傑作『かあちゃん』『将監さまの細みち』『鶴は帰りぬ』、“武家もの”の名品『紅梅月毛』『野分』『蕭々十三年』、“こっけいもの”の『雨あがる』、“メルヘン調の『あだこ』『もののけ』と、周五郎文学のさまざまな魅力を一冊に収めた。(新潮文庫 カバー裏表紙から)

 

<収録>
蕭々十三年
紅梅月毛
野分
雨あがる
かあちゃん
将監さまの細みち
鶴は帰りぬ
あだこ
もののけ
おごそかな渇き

 


 

ネタバレなしの読後感想

 

山本周五郎さんの絶筆となった未完の現代小説である表題作『おごそかな渇き』を含む10編の短編小説が収録されています。
忠義心が強い武士を描いた『蕭々十三年』、武士の馬への愛情を描いた『紅梅月毛』、仕官を望む武家の夫婦の信愛を描いた『雨あがる』などは、著者らしい人情ものだと思います。
変わり種は、『もののけ』。平安時代を舞台としていると思いますが、「日本昔ばなし」に出てきそうなストーリーが印象的です。

 


 

山本周五郎さんの紹介
1903−1967年、山梨県生まれ。横浜市の西前小学校卒業後、東京木挽町の山本周五郎商店の徒弟として住み込む。1926(大正15)年4月『須磨寺附近』が「文藝春秋」に掲載され、文壇出世作となった。『日本婦道記』が ’43(昭和18)年上期の直木賞に推されたが、受賞を固辞。 ’58年、大作『樅ノ木は残った』を完成。以後、『赤ひげ診療譚』(‘58年)『青べか物語』(’60年)など次々と代表作が書かれた。(新潮文庫)

 


 

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