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色川武大 百_0359
カバー装画 秋山 巌

 

「おやじ、死なないでくれ ―、と私は念じた。彼のためではなく私のために。父親が死んだら、まちがいの集積であった私の過去がその色で決定してしまうような気がする」
百歳を前にして老耄のはじまった元軍人の父親と、無頼の日々を過ごしてきた私との異様な親子関係を描いて、人生の凄みを感じさせる純文学遺作集。川端康成文学賞受賞の名作「百」ほか三編を収録する。(新潮文庫 カバー裏表紙から)

 

<収録>
連笑
ぼくの猿、ぼくの猫

永日

 


 

<色川武大さんの紹介>
東京生れ。東京市立三中に入るが、学校になじめず中退。戦後の数年間、放浪と無頼、映画と演劇の日々をおくる。雑誌編集を経て、1961(昭和36)年「黒い布」で中央公論新人賞を受賞。その後、阿佐田哲也名義で『麻雀放浪記』など多くの麻雀小説を手掛ける。’77年『怪しい来客簿』で泉鏡花賞、’78年『離婚』で直木賞、’81年「百」で川端康成賞をそれぞれ受賞する。’88年には『狂人日記』で読売文学賞を受賞した。他の作品に『引越貧乏』『生家へ』『恐婚』など。(新潮文庫から)

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