crossorigin="anonymous">
カバー装画 下村良之介
生涯無頼三昧で送った勝小吉が、自分の一生を振り返り、あまりにも下らない生涯であったと観念して、子々孫々のいましめのために書き残した痛快無比の自叙伝。不羈奔放の生活と、徹底した悪党ぶりは、男の原像ともいえる豪放なすがすがしさを感じさせてくれる。
維新をリードした海舟の政治的手腕も、所詮はこの無頼の血によるところ大であることがわかって興味深い。坂口安吾が本書を評して、「最上の芸術家の筆を以てようやく達しうる精神の高さ個性の深さがある」と絶賛したほど、自伝文学としても評価が高い。
海舟研究の権威勝部真長による初の現代語訳版。(角川文庫 カバーそでから)