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城山三郎 大川範彰 零からの栄光 角川文庫
カバー装画 大川範彰

 

<グラマン・ヘルキャット>に太刀打ちできる戦闘機がほしい!緒戦以来、「零戦」が日本の戦闘機の花形であったが、敵にヘルキャットが出現すると形勢逆転、「零戦」は餌食にされるばかりだった。だが、おそまきながら、この日本戦闘機部隊の悲願にようやく新型機「紫電改」応えようとしていた。「川西航空機」は、戦闘機メーカーとしては通りが悪い田舎会社であった。社長の川西竜三も、さしたる飛行機好きでもなかった。それがなぜ、当時としては最高性能の戦闘機がつくれたのだろうか。
軍部のいわれのない圧力をはねのけ、血の滲みでるような苦闘と熱意で新型機を作り出した“飛行機に憑りつかれた男たち”の不屈のドラマ!(角川文庫 見開きから)

 


 

<城山三郎さんの紹介>
昭和2年、名古屋市生まれ。一橋大学卒。昭和32年、「輸出」で文學界新人賞を受賞後、本格的な文筆生活に入る。昭和34年、『総会屋錦城』で直木賞受賞。その後、組織とそこに生きる人間の問題を深く追求した話題作を次々と発表。日本の経済小説の先駆者といわれる。代表作に『辛酸』『小説 日本銀行』『鼠 ― 鈴木商店焼打ち事件』『価格破壊』『雄気堂々』『男子の本懐』『落日燃ゆ』『黄金の日日』他多数。平成19年没。(角川文庫)

 


 

経済小説というジャンルを確立した直木賞作家だ。大学生から20代までよく読みました。多くの作品のストーリー構成が、窮地に立った状態から、知恵と努力を積み重ねて数々の困難を克服するというものだが、特定の人物が孤軍奮闘するハードボイルドではなく、企業という集合体であるので、一社員にすぎなかった私にとって、「ワクワク」「ドキドキ」するものだった。
また、歴史小説も多数書き残しており、多才な作家だったことがわかる。
時代が変わり、現在の法律や仕組みに合わないことが多々あるが「そんなの関係なく」十分に楽しめる。

 


 

城山三郎さん その他の文庫本

冬の派閥
勇者は語らず
大義の末
役員室午後三時
生命なき街
乗取り
素直な戦士たち
雄気堂々 上
百戦百勝 働き一両・考え五両

 

 


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