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久保田暁一 北方探検の英傑近藤北方探検の英傑_1884
装幀 神長文夫

 

江戸後期、数回にわたり千島方面を探検、択捉(エトロフ)島に「大日本恵登呂府」という標柱を建てるなど、北方の開拓・防備に尽くした英傑・近藤重蔵。のち書物奉行となり、多くの著者を残したが、そのスケールの大きさと旺盛な研究心はかえって幕閣の反感を買い、ついには、長男・富蔵の殺傷事件に連座して悲壮な最期を遂げるー。
綿密な文献調査と取材をもとに、重蔵と富蔵父子の愛憎に彩られた親子関係を浮き彫りにしつつ、二人の足跡を辿った書き下ろし歴史巨編。(PHP文庫 カバー裏表紙から)

 

親子関係はいかにあるべきかは、人間の永遠の課題である。そのあり方と、悲傷と挫折の境遇にあっても人は有意義に生きる道があること、人生には決定的な挫折はないということについて、父子の生きざまと生涯は大きな示唆を与えてくれる。
今日、重蔵は、北方探検の英傑、先覚者として脚光を浴びてきている。北方領土の問題を考える時、重蔵が残した実績は誠に大きい。しかし、まだまだ重蔵と富蔵のことを知らない人が多い。その意味でも、この小説が広く読まれることを期待している。 本書「あとがき」より抜粋 (PHP文庫 カバーそでから)

 

<目次>
雄飛の前夜
東蝦夷地探検行
探検の英傑
書物奉行
左遷
鎗が崎事件
慟哭
『八丈実記』
悲願成就
帰島

 

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