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北方謙三 岳飛伝1_0886
カバー題字 武田双雲

 

負けたのだ。「替天行道」と「盡忠報国」というふたつの志の激突だった。半年前の梁山泊戦。瀕死の状態の楊令に右腕を切り飛ばされた岳飛は、その敗戦から立ち直れずにいた。頭領を失った梁山泊は洪水のために全てが壊滅状態にあった。一方、金国では粘罕が病死した後、軍を掌握したのは兀朮。そして青蓮寺が力を失った南宋も混沌とした状態だった。十二世紀中国で、熱き血潮が滾る「岳飛伝」開幕!(集英社文庫 カバー裏表紙から)

 

 

北方謙三 岳飛伝2_0636
カバー題字 武田双雲

 

淮水で金軍の兀朮が岳家軍と、ほぼ同時に撻懶が梁山泊軍と交戦するが、それぞれ退く形で一旦収束する。兀朮は楊令の遺児・胡土児を養子に迎え、南宋の宰相に復帰した秦檜は漢土の統一を目指し奔走する。一方、梁山泊の新頭領・呉用からの命令は相変わらず届かず、新体制下の模索が続いていた。子午山では妻・公淑の死を想い、王進は岩の上に座す ―。静かに時は満ち、戦端の火蓋が切られる、第二巻。(集英社文庫 カバー裏表紙から)

 

 

北方謙三 岳飛伝3_0826
カバー題字 武田双雲

 

金軍総帥・兀朮が梁山泊の北に展開すると同時に、撻懶の軍も南進を始めた。戦いの幕がついに切って落とされた。呼延凌率いる梁山泊軍との全面対決となる激突だった。史進の遊撃隊の奇襲により、大打撃を蒙った金軍は後退し、戦いは収束。梁山泊は若い宣凱を単身金に差し向け、講和の交渉に入った。一方、岳飛は来るべき戦いに向け準備を開始する。それぞれの思惑が交錯し、血の気配漂う第三巻。(集英社文庫 カバー裏表紙から)

 

 

北方謙三 岳飛伝4_0937
カバー題字 武田双雲

 

ついに金国と南宋が激突! 兀朮率いる三十万の金軍が南下、南宋は岳飛軍、張俊軍などを併せ二十万で迎え撃つ。緒戦から激しいぶつかりあいが続く。金軍の沙歇が、張俊軍の辛晃が、戦場を縦横無尽に駈け回る。胡土児も必死に兀朮を守り戦うが容赦ない攻めに難渋する。岳飛はついに乾坤一擲の策を繰り出した。一方、漢人による豊かな国を目指す秦檜の思惑は如何に ―。中原で蠢動する第四巻。(集英社文庫 カバー裏表紙から)

 

 

北方謙三 岳飛伝5_0956
カバー題字 武田双雲

 

南宋の宰相・秦檜は闇の中で戦いが終わってからのことを考えていた。そんな中、梁山泊の宣凱が岳飛を訪ね対話をする。岳飛は答えた。「中華を中華の民の国にしたい」と。一方、梁山泊の南の開墾地は本格的に始動。戦場では南宋軍の岳飛と金国総帥・兀朮が互いを求め、渾身の力を込めた激闘を繰り返していた。突然、秦檜から南宋軍に帰還命令が届く ―。岳飛の決断とは。思惑が交錯する第五巻。(集英社文庫 カバー裏表紙から)

 

 

北方謙三 岳飛伝6_0943
カバー題字 武田双雲

 

金軍・兀朮と呼吸を合わせたかのように戦を停止し、本拠に戻った岳飛。一方、呉用は宣凱に「岳飛を救え」と言い遺していた。梁山泊が救出に動き始める。ようやく臨安府に赴いた岳飛は、帝に拝謁後監禁されてしまう。独立軍閥を貫く姿勢が、宰相・秦檜の国造りにおける理念と衝突する。ついに、岳飛に死罪の処断が ―。シリーズ前半、最大のクライマックスを迎える緊迫の第六巻。(集英社文庫 カバー裏表紙から)

 


 

<北方謙三さんの紹介>
1947年唐津生まれ。中央大学法学部卒業。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で第4回吉川英治文学新人賞を、85年『渇きの街』で第38回日本推理作家協会賞長編部門を、91年『破軍の星』で第4回柴田錬三郎賞を受賞。また、2004年『楊家将』で第38回吉川英治文学賞を、06年『水滸伝』(全19巻)で第9回司馬遼太郎賞を、07年『独り群せず』で第1回舟橋聖一文学賞を受賞。10年に第13回日本ミステリー文学大賞を、11年『楊令伝』で第65回毎日出版文化賞特別賞を受賞し、13年に紫綬褒章を受章。ほかの著書に『三国志』(全13巻)、『史記 武帝紀』などがある。16年、第64回菊池寛賞を受賞。(集英社文庫から)

 

 

ハードボイルド小説といえばこの作家。
徒党を組むことなく、困難を打破していく、いわゆる“男くさい”主人公“が活躍する。決してスマートな生き方ではないが、人間味あふれたキャラクターが魅力的だ。
一方、「水滸伝」から始まるシリーズは、壮大な舞台で支配者なき地を創ろうとする人たちと、旧来の秩序を守ろうとする国との闘いを描いている。とにかく、舞台となる土地も時間も数々の出来事もスケールが大きい。また、登場人物を丁寧に描き込んでいるので、共感を覚えやすい。凄い作家だ。

 


 

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火焔樹

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