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松本清張 村上 豊 乱雲 中公文庫
カバー装画 村上 豊

 

「信玄軍記」と「乱雲」は同じ素材にもとづきながら別の展開をしめしているが、しかしこの二作をあわせ読めば、信玄をめぐる戦国期の時代相を知ることができるし、同時に松本清張の人間観、歴史観をうかがえる。「乱雲」は二年後に書かれた「野盗伝奇」の世界につながり、後に江戸期を背景とする伝奇小説に発展する原型といえるが、「信玄軍記」はその後の史記物に糸をひく作品であろう。二篇の初期作品はそうした彼の文学世界のひろがりを、ここに暗示しているようだ。(中公文庫 裏表紙から)

 


 

「点と線」や「ゼロの焦点」などを書いた推理小説の大家ですが、私にとっては子母澤寛や海音寺潮五郎とならぶ歴史小説の作家です。
司馬遼太郎とは異なる松本清張の世界を本から味わって欲しいと思います。
また、その容貌から、小学生のものまねネタになっていたぐらい有名な人でもありました。

 


 

<松本清張の紹介>
明治42(1909)年、福岡県小倉市(現・北九州市)に生れる。昭和28年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。31年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。38年「日本の黒い霧」などの業績によりジャーナリスト会議賞受賞。45年菊池寛賞受賞。「点と線」「日本の黒い霧」「現代官僚論」「昭和史発掘」「古代史疑」など多方面にわたる多くの著作があり、「松本清張全集」(T期38巻、U期18巻、文藝春秋)が刊行されている。(文春文庫から)

 


 

松本清張 その他の文庫本

大奥婦女記
増上寺刃傷
異変街道 上・下
軍師の境遇
乱灯江戸影絵 上・中・下
鬼火の町
野盗伝奇
無宿人別帳
かげろう絵図 上・下
小説日本芸譚
或る「小倉日記」伝
天保図録 上・中・下

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