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松本清張 杉本健吉 かげろう絵図(上) 角川文庫
カバー装画 杉本健吉

 

江戸城花見の宴で催された歌くらべで、前将軍家斉の寵愛する中臈(ちゅうろう)多喜の方は、大奥の実力者お美代の方に勝つ。が、その直後、歌の短冊を桜の小枝に結ぼうとした多喜の方は、踏台から転倒し、流産して死んでしまう。お美代の方の養父中野石翁は、すでに隠居した身でありながら、絶対権力を握る大御所家斉の信寵を得ているのであった……。江戸城大奥と絡む陰湿な政治闘争が展開する。(角川文庫)

 

松本清張 杉本健吉 かげろう絵図(下) 角川文庫
カバー装画 杉本健吉

 

もとの身分が一介の御小納戸役でありながら、大奥にあげた養女お美代の方と結んで増長し、家斉の側臣として権力を握り、さらに野望を企む中野石翁とその一派。一方、大奥の腐敗を粛清し、お美代の方の勢力を没落させ、幕政を乱す石翁一派を退けようとする寺社奉行の脇坂淡路守と、老中水野越前守ら。陰謀、汚職、暗殺の渦まく権力闘争図を縦横多彩に描く時代推理長編。(角川文庫)

 


 

「点と線」や「ゼロの焦点」などを書いた推理小説の大家ですが、私にとっては子母澤寛や海音寺潮五郎とならぶ歴史小説の作家です。
司馬遼太郎とは異なる松本清張の世界を本から味わって欲しいと思います。
また、その容貌から、小学生のものまねネタになっていたぐらい有名な人でもありました。

 


 

<松本清張の紹介>
明治42(1909)年、福岡県小倉市(現・北九州市)に生れる。昭和28年「或る『小倉日記』伝」で第28回芥川賞を受賞。31年、それまで勤めていた朝日新聞社広告部を退職し、作家生活に入る。38年「日本の黒い霧」などの業績によりジャーナリスト会議賞受賞。45年菊池寛賞受賞。「点と線」「日本の黒い霧」「現代官僚論」「昭和史発掘」「古代史疑」など多方面にわたる多くの著作があり、「松本清張全集」(T期38巻、U期18巻、文藝春秋)が刊行されている。(文春文庫から)

 


 

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