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星新一 和田 誠 盗賊会社 新潮文庫
カバー装画 和田 誠

 

私は盗賊株式会社の社員。泥棒ごっこのオモチャの製造販売の会社ではない。れっきとした、泥棒を営業とする会社だ。そんな仕事があったのかと内心うらやましがる人も多いかもしれない。平凡な日常のくり返しにあきあきしている人ならば・・・・。
表題作の「盗賊会社」をはじめ、斬新かつ奇抜なアイデアで、現代社会を鋭く、しかもユーモラスに諷刺する36編のショートショートを収録。(新潮文庫 裏表紙から)

 

<収録>
雄大な計画
新しい社長
名案
ぼろ家の住人
滞貨一掃
あるロマンス
あすは休日
盗賊会社
殺され屋
あわれな星
やっかいな装置
程度の問題
趣味決定業
装置の時代
気前のいい家
最初の説得
仕事の不満
あるノイローゼ
声の用途
紙幣
大犯罪計画
感情テレビ
悲しむべきこと
時の人
善意の集積
黒い棒
なぞの青年
特許の品
打ち出の小槌
あるエリートたち
最高のぜいたく
無料の電話機
夕ぐれの行事
帰宅の時間
助言
長い人生

 


 

ショートショートを日本に定着させた作家だ。代表作の『ボッコちゃん』をはじめとして、多くのSFショートショートを書き残している。
ショートショートというぐらいで、短編小説の中でも特に短いから、長編を読むのが苦手な中学生にとって絶好の読み物だった。もしからしたら、星新一のショートショートが読書の基礎になったのかもしれない。
作品は難解なものではなく、中学生にも理解できた。SF以外では、『人民は弱し官吏は強し』が印象に残っている。是非、今の中学生にも読んでほしい作品だ。
ショートショートでは、どちらかというと無機質なタッチだが、この作品では熱を感じた。

 


 

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進化した猿たち 1
進化した猿たち 2
進化した猿たち 3
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ノックの音が
なりそこない王子
人民は弱し 官吏は強し
きまぐれ博物誌
ボッコちゃん

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