面白そうな文庫本を探す 綺麗な装画・イラスト



浅田次郎 終わらざる夏 上_2211
カバー画 リトグラフ/野見山暁治「旅と雲」1991年

 

1945年、夏。すでに沖縄は陥落し、本土決戦用の大規模な動員計画に、国民は疲弊していた。東京の出版社に務める翻訳書編集者・片岡直哉は、45歳の兵役年限直前に赤紙を受け取る。何も分からぬまま、同じく招集された医師の菊池、歴戦の軍曹・鬼熊と、片岡は北の地へと向かった。 ― 終戦直後の “知られざる戦い” を舞台に「戦争」の理不尽を描く歴史的大作、待望の文庫化。第64回毎日出版文化賞受賞作。(集英社文庫 カバー裏表紙から)

 

 

浅田次郎 終わらざる夏 中_1045
カバー画 リトグラフ/野見山暁治「旅と雲」1991年

 

片岡の一人息子・譲は、信州の集団疎開先で父親の招集を知る。譲は疎開先を抜け出し、同じ国民学校六年の静代とともに、東京を目指してただひたすらに歩き始めた。一方、片岡ら補充要員は、千島列島最東端の占守島へと向かう。美しい花々の咲き乱れるその孤島に残されていたのは、無傷の帝国陸軍、最精鋭部隊だった。 ― 否応なく戦争に巻き込まれていく人々の姿を描く著者渾身の戦争文学、中編。(集英社文庫 カバー裏表紙から)

 

 

浅田次郎 終わらざる夏 下_1080
カバー画 リトグラフ/野見山暁治「旅と雲」1991年

 

1945年8月15日、玉音放送。国民はそれぞれの思いを抱えながら、日本の無条件降伏を知る。国境の島・占守島では、通訳要員である片岡らが、終戦交渉にやって来るであろう米軍の軍使を待ち受けていた。だが、島に残された日本軍が目にしたのは、中立条約を破棄して上陸してくるソ連軍の姿だった。 ― 美しい北の孤島で、再び始まった「戦争」の真実とは。戦争文学の新たなる金字塔、堂々の完結。(集英社文庫 カバー裏表紙から)

 


 

<浅田次郎さんの紹介>
1951年生まれ。95年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、97年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、06年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、08年『中原の虹』で吉川英治文学賞、10年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞を、それぞれ受賞。著書に〈天切り松 闇がたり〉シリーズや『プリズンホテル』『蒼穹の昴』『シェラザード』『憑神』『ま、いっか。』『ハッピー・リタイアメント』『降霊会の夜』『一路』など多数。

 


 

浅田次郎さん その他の文庫本

きんぴか 1 三人の悪党
きんぴか 2 血まみれのマリア 
きんぴか 3 真夜中の喝采 
お腹召しませ
月のしずく
かわいい自分には旅をさせよ
シェエラザード 上・下
プリズンホテル 夏
一路 上・下
蒼穹の昴 1〜4
地下鉄に乗って
中原の虹 2・4
鉄道員
天国までの百マイル
日輪の遺産
歩兵の本領
霧笛荘夜話
天切り松闇がたり 3・4

page top