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浅田次郎 天切り松闇がたり(第3巻) 初湯千両
カバーイラスト 唐仁原教久

 

・天切り松闇がたり(第3巻)初湯千両

 

「武勇伝なんぞするやつァ、戦をしたうちにへえるものか」二百三高地の激戦を生きのびた男はそうつぶやいた・・・。シベリア出兵で戦死した兵士の遺族を助ける説教寅の男気を描く表題作「初湯千両」など、華やかな大正ロマンの陰で、時代の大きなうねりに翻弄される庶民に味方する、粋でいなせな怪盗たちの物語六編。誇りと信義に命を賭けた目細の安吉一家の大活躍。堂々の傑作シリーズ第三弾。(集英社文庫 カバー裏表紙から)

 

<目次>
初湯千両
共犯者
宵待草
大楠公の太刀
道化の恋文
銀次蔭盃

 


 

ネタバレなしの読後感想

 

スリの名人が束ねる盗っ人一家の面々が、世間が自由を謳歌していた大正の頃に起こした数々を最年少の松蔵が年を経てから留置所で拘留された者や看守、刑事、はたまた警察署長や警視総監に語るという形式の小説です。
義賊の誇りを持った松蔵がべらんめい調で語る内容は、お仕着せがましい説教教訓ではなく、弱い者への慈愛に満ちたものであり、義理人情を軽視する現代への戒めとなっている。
最初は言葉遣いに戸惑うかもしれませんが、直ぐに慣れてやみつきになるかもしれません。

 

 

浅田次郎 天切り松闇語り 昭和?盗伝
カバーイラスト 唐仁原教久

 

時は昭和九年。関東大震災から復興を遂げ華やかなモダン東京を謳歌したのも束の間、戦争の影が徐々に忍び寄っていた。ついに寅弥が我が子のようにいとおしんできた勲にも召集令状が届く。国の無体に抗おうと松蔵らが挑んだ企みとは? 激動の時代へと呑みこまれていく有名無名の人々に安吉一家が手をさしのべる五編。人の痛みを、声なき声を、天下の侠盗たちが粋な手並みですくいとる。(集英社文庫 カバー裏表紙から)

 

<目次>
昭和侠盗伝
日輪の刺客
惜別の譜
王妃のワルツ
尾張町暮色

 


 

<浅田次郎さんの紹介>
1951年生まれ。95年『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、97年『鉄道員』で直木賞、2000年『壬生義士伝』で柴田錬三郎賞、06年『お腹召しませ』で中央公論文芸賞と司馬遼太郎賞、08年『中原の虹』で吉川英治文学賞、10年『終わらざる夏』で毎日出版文化賞を、それぞれ受賞。著書に〈天切り松 闇がたり〉シリーズや『プリズンホテル』『蒼穹の昴』『シェラザード』『憑神』『ま、いっか。』『ハッピー・リタイアメント』『降霊会の夜』『一路』など多数。

 


 

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