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城山三郎 麻田鷹司 冬の派閥 新潮文庫
カバー装画 麻田鷹司

 

御三家筆頭として幕末政治に絶大な影響力を持つ尾張藩の、勤王・佐幕の対立は、ついに藩士十四人を粛清する<青松葉事件>へと発展し、やがて明治新政府下、藩士の北海道移住という苦難の歴史へと続く。尾張藩の運命と不可分の、藩主徳川慶勝の「熟察」を旨とする生き方を、いとこの一橋慶喜の変り身の早い生き方と対比させつつ、転換期における指導者のありかたを問う雄大な歴史小説。(新潮文庫 裏表紙から)

 


 

<城山三郎さんの紹介>
昭和2年、名古屋市生まれ。一橋大学卒。昭和32年、「輸出」で文學界新人賞を受賞後、本格的な文筆生活に入る。昭和34年、『総会屋錦城』で直木賞受賞。その後、組織とそこに生きる人間の問題を深く追求した話題作を次々と発表。日本の経済小説の先駆者といわれる。代表作に『辛酸』『小説 日本銀行』『鼠 ― 鈴木商店焼打ち事件』『価格破壊』『雄気堂々』『男子の本懐』『落日燃ゆ』『黄金の日日』他多数。平成19年没。(角川文庫)

 


 

経済小説というジャンルを確立した直木賞作家だ。大学生から20代までよく読みました。多くの作品のストーリー構成が、窮地に立った状態から、知恵と努力を積み重ねて数々の困難を克服するというものだが、特定の人物が孤軍奮闘するハードボイルドではなく、企業という集合体であるので、一社員にすぎなかった私にとって、「ワクワク」「ドキドキ」するものだった。
また、歴史小説も多数書き残しており、多才な作家だったことがわかる。
時代が変わり、現在の法律や仕組みに合わないことが多々あるが「そんなの関係なく」十分に楽しめる。

 


 

城山三郎さん その他の文庫本

零からの栄光
勇者は語らず
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百戦百勝 働き一両・考え五両

 

 


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