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城山三郎 荒木哲夫 雄気堂々 上 新潮文庫
カバー装画 荒木哲夫

 

近代日本最大の経済人渋沢栄一のダイナミックな人間形成の劇を、幕末維新の激動の中に描く雄大な伝記文学。武州血洗島の一農夫に生れた栄一は、尊王攘夷の運動に身を投じて異人居留地の横浜焼き討ちを企てるが、中止に終わった後、思いがけない機縁から、打倒の相手であった一橋家につかえ、一橋慶喜の弟の随員としてフランスに行き、その地で大政奉還を迎えることになる。(新潮文庫 裏表紙から)

 


 

<城山三郎さんの紹介>
昭和2年、名古屋市生まれ。一橋大学卒。昭和32年、「輸出」で文學界新人賞を受賞後、本格的な文筆生活に入る。昭和34年、『総会屋錦城』で直木賞受賞。その後、組織とそこに生きる人間の問題を深く追求した話題作を次々と発表。日本の経済小説の先駆者といわれる。代表作に『辛酸』『小説 日本銀行』『鼠 ― 鈴木商店焼打ち事件』『価格破壊』『雄気堂々』『男子の本懐』『落日燃ゆ』『黄金の日日』他多数。平成19年没。(角川文庫)

 


 

経済小説というジャンルを確立した直木賞作家だ。大学生から20代までよく読みました。多くの作品のストーリー構成が、窮地に立った状態から、知恵と努力を積み重ねて数々の困難を克服するというものだが、特定の人物が孤軍奮闘するハードボイルドではなく、企業という集合体であるので、一社員にすぎなかった私にとって、「ワクワク」「ドキドキ」するものだった。
また、歴史小説も多数書き残しており、多才な作家だったことがわかる。
時代が変わり、現在の法律や仕組みに合わないことが多々あるが「そんなの関係なく」十分に楽しめる。

 


 

城山三郎さん その他の文庫本

零からの栄光
冬の派閥
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百戦百勝 働き一両・考え五両

 

 


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