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サトウサンペイ サトウサンペイ けっこうエーこといってるんですが 新潮文庫
カバー装画 サトウサンペイ

 

遅刻は一企業が決めたこと、目ざめは大自然の決めること、企業と自然とどちらが大きいか、と遅刻の毎日。「希望と勇気とサム・マネー」というチャップリンの言葉に励まされて脱サラし、おしゃべりは女にもてない、猛反省するサンペイ流人生。
漫画みたいに暮らせたらいいけど、実際はイライラ、ボヤキの連続。そんなモヤモヤを一気に吹きとばす、辛口ユーモア・エッセイ集。(新潮文庫 裏表紙から)

 

<収録>
イラッシャイ、イラッシャイ
女ども、よく聞けよ
うちの元日
メガネザルのジサマ
四十過ぎて「赤毛のアン」
村で買った小学生の絵具
寮歌なんて人前で歌うな
坊主になる気で推薦しろ
お茶やお花のセンセイになりたい
ユーモア大学
三角消防ホース
損すれば宇宙人になれるのか
希望と勇気と「サム・マネー」
金持ちにはなれないが
日本の役人を輸出せよ
美人というも皮のわざなり
心斎橋で逢いましょう
いいのかな、みんな洋式で
「南極の氷」作戦
腰かけて歯をみがくと
ぼくのイタセクスアリス
うなぎは大阪にかぎる
雨の音
俺はジェントルマンだア
遅刻の王様
すし屋なんかこわくない
富士山とセーター
女性よ、男を立ててくれ
結婚式、するアホ―に見るアホ―
女性は船のカジ、水面下にいよ
女の「けれども」
ベンテンさんと飲むお酒
「どうぞ」と「ありがとう」
新入社員に車のお迎え
商売は女性に向いている
鯨を食べる方法
金持ち風パリ一週間T
金持ち風パリ一週間U
金持ち風パリ一週間V
毛皮裁判
「駅員さん、お早よう」の一言
初めまして、ガリバーさん
子よ、痛さは来てからでいいのだ
昭和二十年九月某日
おしゃべりは女にモテない
英国のシップ・スクール
ぼくがベスト・ドレッサー?
息子をたずねて三千里
風呂敷は教養のシンボル
英国人のエチケットについて
私のアイ・ラブ・ユー論
タイセツ博覧会
幻のシャリアピン
歩道のないクルマ文明
東南アジア“かもバス”の旅
楽しかった元日のバリ島
国会とダメな夫婦
政治家はチップで暮らしている
ニコニコ暮らすのじゃ

 


 

ネタバレなしの読後感想

40年ほど前に出版された文庫本ですが、その内容は現在に通じるものが多く、著者サトウサンペイ氏の慧眼に驚かされるとともに、政治が何もできていないことにも驚く。
例えば、『歩道のないクルマ文明』。自動車の通行を優先し、歩行者の安全をないがしろにする日本社会(文明)のあり方を著者は指弾しています。この40年の間にするべきことをしていれば、2021年6月28日に千葉県八街市で起きた、下校途中の小学生の列に飲酒運転のトラックが突っ込み、5名が死傷した痛ましい事故を防げたかもしれません。
『風呂敷は教養のシンボル』は、買い物の際に提供されていた包装や袋について指摘しています。当時は紙による過剰包装が問題になっていましたが、現在のレジ袋と同じように、資源の無駄遣いと環境の破壊につながるとして、風呂敷の利用を訴えています。
どちらも政治が悪いせいなのか、それとも民度が低いせいなのか、なかなか改まらない問題ですね・・・
漫画家サトウサンペイ氏が、日本を糾弾し笑わせるエッセイです。

 


 

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