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佐藤愛子 我が老後
カバー装画 市川興一

 

妊娠中の娘から二羽のインコを預かったのが、我が受難の始まり。けたたましく啼くわ人の耳は齧るわで、平穏な生活はぶちこわし。一難去ってまた一難。今度は娘が持ち込んだ仔犬に安眠を妨げられる。揚句の果てに、孫のお守りだと? もう、ええ加減にせえ!
読めば読むほど元気がでる平成の“イジワルばあさん”痛快エッセイ。(文春文庫 カバー裏表紙から)

 

<収録>
犬は犬として生きよ
我が闘い
敗北の時
ピーとプー
ええ加減にせえ!
ピープーの次はグー
日々これ闘い
グーの次は孫
またもとの一人
お正月の過し方
ああ六十八歳
ボケ仲間
撮影の日
オニばあさん
珍友
孫は敵だ!
我が家は保育所
可哀そうの歌
いつもと同じ朝

 


 

ネタバレなしの読後感想

 

佐藤愛子さんらしい愉快なエッセイ集です。本の表題どおりに70歳を前にした著者の日常のアレコレを書き綴っています。ペットのインコや犬そして孫娘に振り回され、これに抗おうとする姿が勇ましくも微笑ましい。
ペットとともに老いていき、ふと一人きりになった時の切ない様子に哀愁を覚える作品です。犬たちとのやりとりは、内田百閧ウんのそれとは全く異なるが、なんとはなしに愛情を感じます。

 


 

高校生のときに、よく読んだ作家です。遠藤周作や北杜夫の延長線上にいた女流作家であり、視点のユニークさやユーモアあふれる文章は、なにかとギスギスとしていた頃の私にとって清涼剤であった。

 


 

佐藤愛子さんの紹介
大正12(1923)年、作家・佐藤紅緑の娘として大阪に生まれる。異母兄に詩人・サトウハチローがいる。甲南高女卒。昭和44年「戦いすんで日が暮れて」で直木賞、54年「幸福の絵」で女流文学賞を受賞。痛烈かつユーモア溢れる筆致で人生の哀愁を描く作品には定評がある。(文春文庫から)

 


 

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