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池波正太郎 玉井ヒロテル 夜の戦士(上) 角川文庫
カバー装画 玉井ヒロテル

 

「その谷水を見よ。見つづけておれ。一年でも二年でも見つめつづけよ」
 日立の国鹿島の牢剣士塚原卜伝は、崖から流れ落ちる水を指して、言った。
 それから四ヶ月、 ― 乳?み児の頃甲賀の里に捨てられ青年忍者として育て上げられた丸子笹之助は、首尾よく卜伝の推挙を得、甲斐の武田信玄に仕えた。信玄暗殺、それが頭領から与えられた密命だった。時は戦国、甲府の居館で天下征覇の野望をふくらます勇将信玄。その侍女久仁に熱い血潮をたぎらせる笹之助。彼の背後に不気味な監視の眼を光らせる忍者孫兵衛。
 日移るうち、信玄と宿敵上杉謙信との間に川中島対決の機は熟していく。・・・・戦国乱世を生きる忍者の運命を波乱万丈の展開のうちに描く、傑作長編(上)巻(角川文庫 カバーそでから)

 

池波正太郎 玉井ヒロテル 夜の戦士(下) 角川文庫
カバー装画 玉井ヒロテル

 

暗殺に失敗して武田信玄の器量と人格に心服した丸子笹之助は、忍者の掟に背き、信玄のために身命を賭して働くことを心に誓った。
織田信長か、武田信玄か。天下の形勢は、二人の勢力の伸張いかんによって決着する、それが、笹之助の考えだった。今川義元を桶狭間に討ち取って力を増し、京都の将軍足利義昭の後見となった織田信長と信玄の、互いの牙を隠した、虚々実々の駆け引きのうちに、元亀三年十月、 ― 信玄は遂に三万余の大軍を率いて上洛を目ざし、浜松北方の三方ヶ原に徳川家康の軍を破ったが・・・・。
名将信玄の悲運と、笹之助、孫兵衛の意外な運命の絆を描いて、感動を呼ぶ(下)巻。(角川文庫 カバーそでから)

 


 

多くの時代劇の原作者となった、稀代の時代小説家です。
「必殺仕事人」、「鬼平犯科帳」、「剣客商売」がおなじみですが、主人公や登場人物に愛着がわくような人物設定が見事です。ですから、ともすればワンパターンになりかねない殺し、捕り物、剣劇のテレビドラマになっても、飽きがこないのではないかと思います。
歴史小説家としては、真田家を様々な角度から描いています。作者が、真田家について深く研究をした結果であることは、容易に想像がつきます。

 


 

<池波正太郎さんの紹介>
1923(大正12)年、東京に生まれる。1955年東京都職員を退職し、作家生活に入る。新国劇の舞台で多くの戯曲を発表し、60年第43回直木賞を「錯乱」によって受賞。77年第11回吉川英治文学賞を「鬼平犯科帳」その他により受賞する。作品に「剣客商売」「その男」「真田太平記」“必殺仕掛人”シリーズ等多数。

 


 

池波正太郎さん その他の文庫本

戦国幻想曲
英雄にっぽん
編笠十兵衛
まぼろしの城
あほうがらす
あばれ狼
剣客商売
侠客
おれの足音 上・下
剣客群像
闇の狩人 上・下
上意討ち
男振
闇は知っている
さむらい劇場
蝶の戦記 上・下
鬼平犯科帳 1
真田騒動 恩田木工
堀部安兵衛 上・下
忍びの女 上・下
炎の武士
梅安最合傘 仕掛人・藤枝梅安
殺しの掟
梅安乱れ雲 仕掛人・藤枝梅安
まんぞくまんぞく
むかしの味
剣客商売 陽炎の男
旅路 上・下
雲霧仁左衛門 前・後
江戸の暗黒街
忍者丹波大介
忍びの風 一・二・三
忍者群像
火の国の城 上・下
剣の天地
食卓のつぶやき
仇討ち
剣客商売 新妻

 


 

池波正太郎記念文庫

 

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JR鶯谷駅からゆっくり歩いて20分ほどの所にある「池波正太郎記念文庫」。ガラス張りの台東区立中央図書館の1階の一隅にある。今年(2022年)が池波正太郎さんの生誕百年とあってか、公営の施設にも関わらず少し力が入っているように感じる。
入場は無料。撮影は禁止。著書、直筆の原稿などが場所柄か少し窮屈そうに展示されている。
池波正太郎さんが描いた絵もある。きっと短時間にササッと書かれたのであろうが味がある。
池波マニアは行くべきです。

 

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